ぼくちゃんのこと
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麻里は興味のある人以外は自分から声をかけない。 たとえ街中で知り合いを見かけても声をかけない。 後日見かけたこともあまり言わない。 そんなヤツだ。
そんな麻里に「関わりたくないけどちょっと声かけてみようかな」という人間が現れた。 その名は「ぼくちゃん」 今年の新入社員である。 彼は3人兄姉の末っ子で、どうやら両親に可愛がられているらしい。 そのせいか甘ったれなところが行動の節々に見られるそうだ。 麻里が少々おどろいたのは、冷蔵庫で冷え冷えになった缶コーヒーが飲めないというところらしい。 お腹が弱いんだろう。 わざわざ冷蔵庫の外に置いてあるぬるい缶コーヒーを飲んだりする。 だがそれは時々のことであって、普段のぼくちゃんはコーヒーはホットで入れたものをお飲みになる。 麻里がブルックスのドリップコーヒーを入れてあげてるのだ。
そんなある日、いつも休憩しにくる時間よりも早くにぼくちゃんは事務所にやってきた。 もちろんコーヒーは入れてない。(しかし入れる用意はもうしてある) お湯も沸かしている最中。 それを見てぼくちゃんは「あっ・・・・」とつぶやいた。 麻里は「もう少しで沸くからちょっと待ってて」と言ったのだが、ぼくちゃんは待てなかったらしい、おもむろに冷蔵庫の横をみたが、ぼくちゃん仕様の缶コーヒーはなかった。 ぼくちゃんはまた「あっ・・・・」と言ってしぶしぶ冷蔵庫の中の缶コーヒーを取り出し席についたが、「ああ・・・冷たいコーヒーは飲めない・・・」なんてことをぼやいていた。 麻里は「ぼくちゃんめ!!」とちょっと立腹したが、その時ちょうどお湯が沸いたのでぼくちゃん優先でコーヒーを入れてあげた。 手のかかるお坊ちゃんである。 麻里は今度ほ乳瓶にコーヒー作ったろかと思ったらしい。
そんなぼくちゃんはウワサによると、ネットがつなげない会社の寮にパソコン3台とノートパソコンを持ち込んだらしい。 おまけにゲーム機もいっぱい持ってるらしい。 この話を聞いて、麻里はいつもニタニタしているぼくちゃんは気持ち悪いけれどちょっと話をしてみたいという衝動に駆られたらしい。 オタク度を知りたいようだ。 とりあえず、来週ぼくちゃんに挑戦してみようと思った麻里であった。
・・・・。ヒマなんだな・・・・。
...No.10 |
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