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[3257] 田舎暮らしは楽しかばい・091107 投稿者:oomaguro 211.125.20.237 投稿日:2009/11/07(Sat) 21:23 
うるち米を蒸す 朝八時、昨日から浸け込んでおいた米を蒸すことから一日が始まった。我家にはガスレンジにもかかるタイプの蒸し器もあるにはあるが、時間をかけて蒸す時には燃料代のかからないハガマ式の蒸し器を使う。この家にハガマは三つほど転がっているがこのハガマが一番大きい。

 蒸し器の底に竹のスノコを敷きさらに晒し布を敷く。容量はけっこう大きく浸け込んでおいた二升の米が悠々と収まった。真中付近を窪ませて重い木の蓋を被せいざ点火。小さな枝をどんどん投入して強火で一気にお湯をたぎらせる。二十分ほどすると少しずつ湯気が立ち上る。

 米に火が通り始めると次第に抜けてくる蒸気の量も増える。火を入れて一時間ほど経過したところで蓋をずらし表面の米の状態を確かめる。手で触った感触からするとまずまず蒸し終わった感じである。ここからさらに三十分ほど冷ましながら蒸らし続けるとひとまずでき上がりだ。

 この間におっちゃんはモロブタとポリタンクを準備する。モロブタは蒸した米を広げて冷ましたあと麹を混ぜるために使う。今回用意した米麹は二キロ。熊本市内の麹専門店で一キロ880円で購入できるのだが送料を含めると2200円程度になる。はたしてこれが高いかどうかはでき上がるSHOCHUの量と質次第。

 九時半、少し温度の下がった米をモロブタにあける。しゃもじでかき混ぜながら均一に広げていく。十分に熱を取らないとこれから混ぜる麹菌が死んでしまうから要注意。50℃以上では高価な菌が台無しとなる。手で触ってみて少しでも熱いと思ったらまだ冷まし方が足らないということだ。ここだけは慎重に確認する。

蒸し上がった米と麹を混ぜる 米を炊くのではなく蒸すのは水分の量を抑えるため。その方が菌の繁殖には都合がいいということなのだろう。蒸した米をしゃもじで切り、最後は手で塊をほぐしながらぽろぽろの状態になるまでもっていく。ほぼ体温近くまで下がったところで満を持して麹を投入する。麹独特の香りがほんのり漂っていい気分である。

 麹菌は米の中のでんぷんを糖に変える働きをする。麹にもいろいろな種類があって芋焼酎業界でのいまの主流は黒麹。しかし一般には手作り味噌や甘酒づくりに使う白い麹くらいしか手に入らない。でもこれで十分なのである。

 さて、よく混ぜ合わせた原料をポリタンクに移すとここから麹菌を増やす段階に入ったことになる。温度は30℃付近が最適というからこの時期だと少し温めてやる必要があるだろう。ただしきょうは思いのほか陽射しが強くポリタンクに蓋をして日の当たるところに置いておくだけでかなりの温度になっていた。夜は風呂の残り湯が適度に温度を保ってくれるということで浴室がポリタンクの定位置となる。

 いまはまだ5キロ程度の重さだが二日後には水が加わりさらに一週間後には芋が加わるから最終的には15キロ近くの重さになるはず。SHOCHUの仕込みもけっこうな重労働である。


[3256] 田舎暮らしは楽しかばい・091106 投稿者:oomaguro 211.125.19.238 投稿日:2009/11/06(Fri) 22:03 
 朝一番の仕事は精米。食べる分はもう少しあるのだがそろそろSHOCHUの仕込みを始めようと思い立ったからだ。去年初めて挑戦したSHOCHUづくり。あらためて作り方のメモを確認する。一年に一回しかやらないのでどうしても分量や手順などのおさらいが必要だ。

 一番金のかかる麹は今回通信販売で購入した。といっても去年と同じもの。熊本市内の麹専門店がホームページ上で注文を受けつけていることを知って頼んだのだがさすがに近いところだけに注文した翌日には宅急便で家に届いた。それが昨日のこと。あまり保存がきかない麹ゆえ数日中には仕込みを開始する必要があるのである。

 今回購入した麹は二キロ。一キロの麹につき一升の米というのが去年の割合だったので今年は二升の米を研ぐ。これを一日水に浸けておいて明日蒸し上げる予定。去年は二回に分けて仕込んだ量を今年は一度に仕込む。仕込用ポリタンクがけっこう重くなるので腰を痛めないようにしないとねえ・・・。

アース板を設置する ラヂオ修理工房の縁側直下のコンクリート剥がしはまだ道半ば。完全に取り除くにはあと二日はたっぷりかかりそう。しかし半分剥いでしまえば当初の目的のアース板の設置は可能となる。これを先にやっておこう。

 アース板に使うのは二十センチ×三十センチほどの銅板。ただし中がいろんな形に繰り抜いてある。これはおっちゃんがまだ職業訓練所へ通っていたときにゴミ捨て場から拾ってきたものだ。たぶん金属加工実習で使った後の不用物なのだろう。しかし土と触れ合う面積がけっこうあるのでアース板にはもったいないほどの上物である。

 ラヂオの場合、アースの効果はアンテナの性能を高めることになる。送信用のアンテナがそうであるようにラヂオのアンテナは片側がアースされてはじめて効率よく機能する。真空管ラヂオの場合はそれほど感度がよくないのでそれなりのアンテナとアースは必需なのである。

 アースは地面との接触をよくするためにさまざまに工夫をする。大掛かりには大きな板を複数埋めたりするわけだが家庭の場合はそこまでできない。それでも銅板のまわりに炭を砕いたものを混ぜたりして電気の伝わり具合を良くする工夫くらいはできる。おっちゃんも竹炭の残りを砕いて土に混ぜてみた。炭はいろんなところに使えて重宝するものである。

 さて埋め終わったアース板に銅線を接続してこれをラヂオのアンテナ線とつないでみる。アンテナ線をアースを落とすのは何か変だと思われるかもしれないがこれでいいのである。この場合、アンテナの働きをするのは電力用の引き込み線となる。すると感度が格段に上がった。これまでの中途半端なアンテナを使うよりもずっといい。民放ラジオも田舎のハンディを感じさせないくらいに大きく受かるようになった。こりゃもっと早くアースを作っておかなければいけなかったなあ・・・。


[3255] 田舎暮らしは楽しかばい・091105 投稿者:oomaguro 202.219.159.10 投稿日:2009/11/05(Thu) 21:28 
 真冬になりかけていた天気がUターンしてきょうは初秋の趣。日が射すと暑いくらいに気温も上がる。このところの冷気が干し柿をひきしめてくれると思っていたがちょっと期待外れ。寒いのは嫌だが十一月になっての夏日は勘弁してもらいたいものである。

カマド部屋の煙突を修理する きのうからやっているコンクリートのハツリを再開する前に一仕事。カマド部屋の煙突の補修をやる。もう二月ほど前になるけれどもカマド部屋の屋根の修理中にふとしたはずみで煙突が半分ほど割れてしまったのだ。カマド部屋の煙突は古いスレート製。半分ほどになった煙突で二、三度火を入れてみたのだがどうも都合の悪いことが分かってきた。

 煙突が短いものだから煙がすべて軒に当たってしまう。もし火の粉が混じっているとすれば火事になる危険もなしとはしない。昔の煙突も短くはあったがそれでも軒の外には出てはいた。そこで煙突を継ぎ足すことにしたわけである。材料は以前屋根から落とした古い太陽熱温水器で使っていた太いパイプ。都合がいいことにこの材質がステンレス。煙突にするにはまことに具合がよかったのである。

 煙突修理を一時間で片付け、あとはコンクリートに立ち向かう。午後は日が射して能率が上がらない。それでも我慢の作業で半分近くまでコンクリートが剥げた。少しずつやればいつかは終わる。そう考えなければなかなかこんな単調な仕事はできない。

 夕方、福岡に帰っている連れ合いから電話が入る。実はきのう車で福岡へ帰る途中、軽トラックが故障して大津町付近でにっちもさっちもいかなくなった。仕方なく近くの自動車工場へ入れたのだがその診断結果が出たのだ。しかしこれはショックだった。

 又聞きなので詳しくは分からないのだが部品が壊れて落ちミッションの中にはいりこんだのだとか。この部品を取り出すのにミッションを分解しなければならないのだがそれだけで十五万の修理費が必要になるという。なんだかんだの修理費の合計は20万円を軽く越えそうというのが見積りである。

 いまの軽トラックは三年半ほど前に20万ちょっとで手に入れたもの。それを修理するのに同程度の金をかけるのは経済的に割に合わないというものだ。方針は故障した軽トラックは修理をせず廃車にして新しい中古車を手に入れるということでいくしかないのだが問題は金の工面。なにせ貯金というものがほとんどない。

 一番安い中古車でも15万円から20万円。軽乗用車よりも軽トラックの方が高いというのが中古車市場らしくできるだけ安上がりに車を調達するとなると軽トラックはあきらめることになるのだろう。田舎暮らしの象徴として買った軽トラック。本来の働きはときどき薪用の丸太を満載にしたり竹を切り出したりというときには活躍したのだが、考えてみればほとんどは乗用車として使っていたわけだからそう不便をきたすことにはならないだろう。

 しかし廃車する軽トラック、今年の二月に車検を受けたばかり。走行距離もまだ13万キロには達していなかったし、まだまだ走れるとばかり思っていた。人間の運命もそうだが車の運命というのも分からんものだなあ・・・。


[3254] 田舎暮らしは楽しかばい・091104 投稿者:oomaguro 211.133.81.212 投稿日:2009/11/04(Wed) 21:30 
 今朝の冷え込みも相当なもの。日が射すまでの寒々とした朝の時間帯の感覚が蘇る。じわじわと湖畔から上ってくる陽射しが本当に待ち遠しい。冬になったという実感が沸くのはこんなときだ。

コッコのアパートを作る 去年、真弓ちゃんが初めて卵を産んだのが十一月末。今年はメスの雛が二羽増えた。そろそろ産卵開始に向けた準備をしてやらねばなるまい。真弓ちゃんは牛小屋の中の昔の水のみ場を占領している。セメントで仕切られた囲いに藁を入れて巣篭りをしやすくしているのだが真弓ちゃんは気に入っているようで必ずここで卵を産み三羽の雛を立派に育てた。

 メスが一斉に卵を産むようなことはあまり考えにくいがそれでも三羽が同時に卵を産み抱卵するようなことも当然ながら考えておく必要がある。そこでメス三羽のための専用の産卵場所を作ってやることにした。言わばメスのお産のための個室である。

 こういう形の箱を最初から作るのは材料もたくさん要るし造作もけっこう面倒なものである。そこで今回は前住のばっさまが使っていた小さな鶏小屋をリフォームすることにした。これは大昔の長持を流用したもので広い杉の一枚板を使ってある贅沢なものである。おっちゃんがやることは金網を外し仕切用の板を取り付けるだけで済むからこれ以上楽なリフォームはない。

 長持の雰囲気を壊さないようにできるだけ丁寧な作業に努めて二時間ばかりかけて改修が完了。三つに区切られた部屋にそれぞれ切った藁を敷いてやる。さてコッコがどういう態度に出るか興味深かったがすぐにそれぞれが気に入った場所に入って居心地を確かめているようだった。もっともこの四羽のうち二羽はオスで自分たちもここを住処にできると勘違いしているようだったが、まあメスがここで巣篭りし始めれば自ずとオスの居場所はなくなるのだがね・・・。

旧玄関の床はつり ところで仏間はいまおっちゃんのラヂオ修理工房になっている。ラヂオの性能を確認するためにアンテナは引き込んでいるのだができればちゃんとしたアースも欲しいところだ。そこで仏間の外の地面にアース板を埋められないかと下見をしてみた。

 ところが仏間の前の地面はコンクリートで覆われている。ふと見るとセメントが剥げかかったところの下に石が見えた。これは家の土台に使われているものと同じ材質の長い石。この仏間はその昔この家の正式な玄関だったところ。格の高い客人しか上がれなかった場所でそれなりの構えがあった名残がある。

 昔の姿に戻せるものかどうか分からないがセメントを剥いでみることにした。モルタルだけで覆われた長い踏石はすぐに全体像を表したがそれよりも上がり框に近い地面の部分は厚いコンクリートで覆われていた。タガネを持ち出してハツリ始めたがこれがなかなか頑丈である。きょう取り除いた部分は五分の一にも満たない。またまたやおいかん仕事に手をつけちまったようである・・・。


[3253] 田舎暮らしは楽しかばい・091103 投稿者:oomaguro 211.125.19.120 投稿日:2009/11/03(Tue) 21:35 
 寒い朝だった。さすがに霜までは降りなかったが阿蘇山上では氷点下。熊本市内でも最低気温は5℃だったというから標高の高いここはもう少し寒かったのではなかろうか。六時前に目覚めてしばし西の空に沈みゆく月を見る。旧暦では九月十七日。それはそれは幻想的な赤っぽい満月だった。

 タマネギの植え付けと麦の種まきという今年最後の農作業が残ってはいるがとりあえず急ぐ野良仕事はない。ダイズはまだサヤが黄色くなりかけたばかりで獲り入れはずっと先だ。去年植えつけたネギが三つの畝に分かれて育っているのでこの際まとめてしまうことにして鍬を握る。

色っぽいダイコン そこへ現れた連れ合い。今晩のおかずにブリダイコンを考えているという。そこで畑のダイコンを一本抜いて手渡す。ところが今年のダイコンは二股が多く、このダイコンもこのように艶めかしい。まるで女性の裸体のようだったが後ろにはこのように尻尾があった。こんなダイコン店にはけっして並ばないから作った者だけが見ることのできる役得である。

 さて最低気温が5℃を下回ったとなると忘れてはいけないのがサツマイモの保温である。サツマイモという作物は低温にいたって弱い。最初の年はこれが実感できずに室内ならば大丈夫だろうと土間の隅に置いておいたのだが年明けには腐ってしまいさんざんだった。

 ムラの人たちはどうやって保存したかと聞くと山の斜面に大きな穴を掘って藁や籾殻にくるんでいたという。この芋倉の名残がいまでも神社の階段横に見られる。いまはそこまで大掛かりにはやっていないが畑に深い穴を掘って藁などの保温材で囲って埋めておくのが一般的のようである。だがこれでは掘り出すのが大変だ。

サツマイモの保存 サツマイモの保存について調べると十℃を下回ると腐れやすくなり乾燥にも弱いという。ならば湿気があって温度も高い風呂場が最適ではないかと考えてやってみたことがある。これは確かに効果があってあまり腐れる芋はでなかったように思う。ただ我家では冬場の風呂は二日に一度。風呂を沸かさない日はやはり気温は下がる。

 そこで最終的に落ち着いたのは居間の天井から吊るしておく方法である。以前は居間で囲炉裏を毎晩炊いていたしオキを残しておけば厳しく冷え込むことはない部屋だった。鉄瓶をかけておけば湿度も適度に保たれる。

 いまでは囲炉裏こそ塞いだもののその代わりに薪ストーブがあり上には変わらず鉄瓶をのせている。天井近くは温度も高く湿気もある。この方法で二回の冬を経験したが保存した芋は翌夏まで十分食べられることが分かった。今年もこのやり方でいく。

 方法は実に簡単。芋が乾燥しないように新聞紙でくるみ天井からぶら下げた箱に放りこんでおくだけ。きょうその作業中に去年の芋が一個残っていたのを発見した。新聞紙を開けると中からまだしっかりしている芋がでてきた。しかも芽が出ている。味は落ちているだろうがまだ生きている証拠。しかし天井から吊るしておくのは収穫した芋の半分以下にとどめたい。残りは年内に使うのがやはりおいしい食べ方。がんばって食べることを考えよう。


[3252] 田舎暮らしは楽しかばい・091102 投稿者:oomaguro 220.146.87.223 投稿日:2009/11/02(Mon) 21:47 
 冷たい風が柿の葉を散らす。我家にも隙間風が吹き抜ける。本格的な冬支度を急ごう。建具の取り替えもそのひとつ。玄関の戸はこの前サッシ戸に替えたばかり。今朝はまだ済んでいなかったカマド部屋との仕切りの簾戸を外し、重いガラス戸に入れ替える。これで少しは隙間風を防ぐことができる。

 コタツのセッティングも忘れずに行った。昼間とはいえ気温がどんどん下がっているように感じて寒い。寒暖計を見ると十三度。この分だと夜には十度を切るかもしれない。もちろんストーブの火入れも必須だ。薪が切れないようにたっぷりと薪小屋から運び込む。

 木枯らし一号は吊るし柿のゴーサインでもある。連れ合いも気配を嗅ぎとっておっちゃんを山に誘う。ようやくこの土地の季節の変わり目を体で感じることができるようになったのかもしれない。

本格的な吊るし柿 柿を入れるカゴと長い棒を持って裏山へ続く急坂を上る。山の斜面は共同墓地を囲むようにムラ人の果樹園が広がっている。クリやユズも多いが今の時期は柿の色に染まっている。おっちゃんたちは急坂を上り詰めたところにある柿の木の下に立つ。これはバス停下のTさんちの柿の木。山まで上って来ることがしんどくなった老夫婦に断ってこの実を獲らせてもらっている。

 熟しすぎているものは避けて色艶のいいものから枝を折っていく。吊るし柿にするものはぶら下げるのに都合がいいように必ずヘタの根元の枝はつけておかねばならない。実だけをちぎってしまうとヘタのところに糸を通したりしなければならぬからえらい手間になるのである。

 手の届く範囲を獲り終えてもカゴが一杯にならないので二股になった棒を使って高いところの実を狙う。柿獲りのコツがだんだん分かってきて枝をくるくると巻くように折ると実を落とさずに手元まで引き寄せることができるようになった。これも三年間修行した成果である。

 カゴが一杯になればほぼ50個近い柿が獲れたことになる。実はまだまだいっぱい残っているが我家ではこれ以上の柿は必要ない。欲張れば柿の皮を剥くだけでも大変だ。去年などは柿の木の上から投げ落とした柿を受け取り損ねて連れ合いが崖を転がったことも思い出す。まあ怪我をしないうちに山を下りられるのがなによりである。

 皮を剥くのは連れ合いの仕事。おっちゃんは吊るす作業という業務分担が定着している。これまでは吊るす紐に荷造り用のビニルロープを使っていたのだが今年は自然素材にこだわって藁縄とした。そして驚くなかれ縄はおっちゃんの手作りなのである。

 縄を綯うことなどまったく経験のない世代のおっちゃんである。子供の頃から縄を綯い草履などを編んでいたじっさまばっさまなどから比べるとおっちゃんの手つきなど幼児に等しいだろう。それでも見よう見真似で藁を砧で打ち、手の平で藁に撚りをかけ、方向を間違えないように編んでいくといつの間にかそれらしい縄になるものである。藁を継ぎ足すのも難しいが何度も失敗するうちにコツが分かってくるものだ。

 できあがった6メートルほどの縄は素人目にもきわめて不恰好である。撚りが緩くなったり固くなったりとてもきれいな縄とは言えない。それでも柿の実をちゃんと固定でき吊るすだけの強度を持つのだから藁というのはえらいものだ。またビニール製のロープなど一度使えば紫外線でボロボロになって棄てるしかないのだが藁というのは使い終わっても肥料にもなるし焚き付けにもなる。先人の智恵に感心すると同時に少しだけ彼らに近づいたことを喜ぶきょうのおっちゃんであった。


[3251] 田舎暮らしは楽しかばい・091101 投稿者:oomaguro 219.116.93.22 投稿日:2009/11/01(Sun) 21:50 
 水道清掃日だというのに予報は雨。朝起きた時にはまだ降っていなかった。ただ雲行きからすると掃除が終わるまでには降ってきそうな感じもする。たぶんHさんはこの天気をみて早目に現れるだろうと考えた。七時前には表に出て薪割をしながら迎えを待つ。しかし意外にもHさんは定刻よりも少し遅れて現れた。天気の変化を見切っているのか余裕の表情。さすが八十歳。伊達に歳はとっていないのである。

 前回は濾過槽の水がぐっと減っていたので第二水源の水を足して帰ったのだがその効果で濾過槽の水は満杯状態。ところが槽の覆いを外したときの水の透明感がいまひとつ。天気が悪いせいかと一瞬思ったが掃除を始めるとやはりかなりの汚れがあることが一目瞭然。

 濾過槽の掃除は砂の間に溜まった泥を取り除くのが第一の目的で、そのために一メートルほどある砂の層の一番下から圧力をかけた水を噴出させ砂の上の方へ水と共に泥を浮かび上がらせる。これをじっさま達は「噴かし」と呼んでいる。この作業の際にこれまで見たこともないような泥が舞いあがったのだ。よく観察すると砂の上部にうっすらと泥が堆積しているのがわかる。

 これだけ汚れた濾過槽を見るのは二年前の水害で大量の泥水が入りこんだとき以来。これは前回加えた第二水源の水が予想外に汚れていることを証明している。もちろん濾過槽を通って貯水タンクに溜まった水はきれいなものだが砂が目詰まりを起こすとまともに濾過できなくなるからそうなると深刻だ。

 きょうは第二水源の水をごく少量の補給にとどめて帰る。ひょっとして水不足に陥る可能性も無いではないがこれから寒くなる季節なのであまり水の使用量が増えないことが救い。帰り着いたのは八時半過ぎ。その直後に測ったように雨が落ち始めた。この雨は夕方まで間断なく降り続く。

ボタン選局の調整を行う 午後、現在修理中の押しボタン選局式ラヂオに向かう。先週までの調整でダイヤルを動かしての受信はなんとか可能になったのだが、このラヂオの目玉であるワンタッチ選局がどうもうまくいかない。原因は押しボタンスイッチの接触不良がひどく調整ができなかったことによる。

 スイッチで切替えているのはアンテナ同調回路のコンデンサと局部発振回路のコイル。どちらもちゃんと接続されないとまったく受信できない。とにかくスイッチの接点を回復させるのが先決でテスターで接点の導通を見ながら何度も何度も押しボタンを押す。これを繰り返すうちに少しずつ動作が正常に近づいていくようだった。

 五つの選局ボタンは大きく二つのグループに分かれ、上から三つは1000〜1600KHzの周波数の高い局が設定できる。下の二つは500〜1000KHzである。全帯域をカバーできないのは使っている半固定コンデンサの調整範囲が限られているため。とりあえず熊本で受かるRKK、NHK第一、第二の三局を設定することにする。

 これがなかなかコツが要る。最初は局発コイルのコアの調整で微かにでも捕捉できたら、あとは同調コンデンサを回して音を大きくする調整で簡単に済むだろうと思っていた。しかし予想以上に同調回路の選択性がよく発振コイルと同調コンデンサの調整を歩調を合わせてやらないと一向に受信できないという難物だ。しかし一度コツが分かってしまうとぐんと能率が上がる。

 二時間ほどかかったけれども地元の大きく受かる三局に加えて長崎NBC放送とNHK福岡第一をプリセット。まだ少し接触不良の症状は残るもののスイッチの動作はなかなか快適。残念ながらマジックアイはまともに光らないがワンタッチ選局ならばあえて必要はない。故障さえしなければこれは愛用の一台になりそうな予感がするラヂオである。


[3250] 田舎暮らしは楽しかばい・091031 投稿者:oomaguro 219.116.93.140 投稿日:2009/10/31(Sat) 21:27 
 きのう時間切れで中途半端に終わった梅の木の剪定を終わらせるべく七時過ぎには動き始める。まずはきのう切った枝を薪小屋に仕舞っておこう。これが意外に面倒で時間がかかる。枝を落とした分だけでもかなりの量があって小屋の隙間がなくなってきた。せっせと薪を燃やすことも考えなければいけないようだ。

 おっちゃんが面倒な作業をやっているところへ隣のじっさまが珍しく声を掛けてきた。薪はいらんかという。以前切っておいた梅の木があるので要るならもっていけという話である。隣からはときどき剪定木をもらって助かっているので後々のためにも断るわけにいかず二つ返事でいただくことにした。

 簡単にもらうと言ったものの現物を見て驚く。それはけっこうな大木でもちろん運べるくらいには切ってあるのだが永く畑の隅に放置されていたものだから泥まみれで雨を吸いとても重くなっていた。腰を痛めないかと思うくらいの丸太を抱えて我家の玄関前の薪割り場まで十往復。予定外の仕事にどっと体力を消耗した。

 肝心の梅の剪定はこの作業が入ったことで方針変更。上に伸びた太い枝をばっさり全部落とすつもりでいたのだがとてもそんな気力は残ってないようだし、第一、薪小屋の収容能力が限界に近いことがわかった。ということで軟弱者のおっちゃんが選んだのは上に伸びた枝を一本だけ落とす手抜策。それでも高さ三メートルほどの木に相当する大きな枝だった。

 剪定枝の始末をつけると隣からもらった丸太の薪割に手を着ける。まずは玉切り。梅というのはなかなか堅い材でしかも切ってからかなり経っているので生木のようにはいかない。直径三十センチ弱の丸太を二等分するのに息を切らしてざっと三十分。まあ手挽きとしてはいいペースというべきか。しかし玉切りというのは何度やっても体力の無さを痛感させられるしんどい作業である。

タマネギの苗 ところで心配なのがタマネギの苗だ。種蒔きからほぼ50日。そろそろ移植できるくらいの大きさに育たなければならないのだが、この状態ではまだ植付ができるような感じではない。どうも苗を育てた場所の日当たりが悪くあまりいい条件ではなかったようだ。

 ホームセンターではそろそろタマネギの苗が並び始めている。この前見たところでは50本で400円という値段だった。予想以上の高値である。九月から十月にかけて雨が少なかったのが要因かもしれない。去年も天候不順であまりに高かったので植え付け数を減らしたのだが、今年のタマネギ苗も気軽に買える雰囲気ではなさそうである。

 ここまできたら我家で育っている苗にがんばってもらうしかないだろう。この間ざっと数えてみたら早生を加えて300本ほどを確認した。そのうちどれくらいが苗として使えるか分からないが最低でも200本くらいはなんとか植え付け時期に間に合わせたいものだ。あと二週間でどれだけ大きくなってくれるかねえ・・・。


[3249] 田舎暮らしは楽しかばい・091030 投稿者:oomaguro 202.219.166.154 投稿日:2009/10/30(Fri) 21:34 
 木と向かい合った一日だった。といっても薪割ではなく我家周辺の樹木の撤去や剪定である。まずは下の畑。剪定バサミとノコギリを携えて畑に下りる。この畑を前住のじっさまから預かったときには方々にいろんな木々が生えていた。その多くは前住のばっさまが趣味で植えた花木だった。

 その後移植できるものはほとんど掘り上げて残ったものは処分できるものばかり。去年は畑の中にしょぼしょぼと育っていた二十本ばかりのお茶の木を切り根っ子を掘り上げた。残るは畑の端に何本かの木が残っている。この木々が残っているばかりに畑がうまく活用されていない感じがしていつかは樹木を整理しなければならぬだろうと考えていたのだ。

 手始めに剪定バサミを振るった相手はヒメコブシ。三メートルほどの高さに達し葉を繁らせている。早春には白い花を咲かせ、夏には赤い実をつけて目を楽しませてはくれるのだが、畑の南に位置するこの木は作物に届くべき太陽の光を遮ってしまう。年々、枝を伸ばし葉陰も広がってきたのでこの際ばっさりと剪定することにした。

庭の梅の木の剪定 下の畑ではこのほかに三本の木を撤去する。二本は名も分からない木でこれは印象的な花も咲かないから未練はなかったのだが、最後の一本はちょうど背丈近くまで育ったツバキだった。これから蕾が膨らんでいこうという時期に切ってしまうのはやや惜しい気はしたものの、この木を取り除くと畑の一画にけっこうな耕地が生まれるという算段があってノコギリを入れたのだった。

 ツバキは固い木だ。しかしお茶の木の仲間だから根っ子はそれほど頑丈ではないだろうと思っていた。しかしツバキの根っ子は密でしかも固く掘り起こすのは一苦労。のべ百回以上鍬を入れてやっとこさ根っ子を切り掘り上げた。鍬が壊れずにほっとしたというのが正直な感想である。

 下の畑はひとまず切り上げ次は庭の梅の木の剪定にかかる。桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿ということわざがあるように梅は剪定してこそきれいな花を咲かせるものだ。ところがこの梅は育ちすぎて横にある農機具倉庫の屋根をとっくに越えてさらに上に伸びようとしている。この三年ほどまったくハサミを入れていない木は上にばかり伸びて梅の形を成していなかった。

 これだけ枝が繁ってしまうとどこから切っていいものやら見当もつかない。とりあえず尖った小枝を落としていくことから始める。これをやっておかないと服が破れたり手が傷だらけになる。本格的に枝を落とし始めるようになると切った枝の処理がまた大変。梅の木はとにかく細い枝がごまんと出る。

 午後になり雲が出る。これで涼しくなると思いきや途端に蒸し暑くなって汗びっしょり。これが十月末の気温かとボヤキの一つも言いたくなる。作業の能率はがたっと落ちて剪定半ばで時間切れ。珍しく缶ビールで喉の渇きを潤す。さてよくよく樹形を見るとこれからどう整えればいい形になるのか構想が浮かばない。どうも元々の土台がよくないのだろう。明日は思い切って全部枝を落としてみるか・・・。


[3248] 田舎暮らしは楽しかばい・091029 投稿者:oomaguro 220.146.87.217 投稿日:2009/10/29(Thu) 22:04 
 椅子に座ると尻が痛い。きのうの自転車の影響だ。自転車に乗っていたのは実質五時間ほどだと思うが、この程度で翌日に尻に痛みが残るというのは鍛え方が足りないのだろうな。以前から尻の耐久性はあまりなかったおっちゃんだがそれにしてもたかが半日のツーリングで後遺症が残るとは軟弱になったものである。

 朝一時間ほど本を読む。きのう珍しくジャズの本を借りてきた。「ジャズオーディオ・ウェイク・アップ」というタイトル。オーディオにはあまりお金をかけていないおっちゃんはこの手の本は避けてきたのだが、試聴対象になっているジャズアルバムに興味深いものが多かったので読んでみようという気になった。

 内容はCSデジタル放送の番組での語りが文章に起こされたもので話し言葉だけに読みやすい。ジャズの解説に多くを割いてありスピーカーだとかケーブルだとかの小難しい薀蓄が少ないのはありがたい。ただジャズを鳴らすには三十センチ超の大型スピーカーとハイパワーのアンプが必須と述べられているところには違和感が残った。

 金に恵まれてそんなセットを据えつけられたとしても現代の日本家屋ではまともな音が出るはずがないからだ。コンクリートで囲まれた地下室ならばいざ知らず、新建材の壁や床で構成されているちゃちな家では周囲がびりびりと震えてうるさいだけだろう。おっちゃんの経験で言えばいいジャズを聴きたいのならセットにお金をかけるよりも古くてもいいから頑丈な家を最初に手に入れることだ。

ナタネの芽が出揃った 午前中の二時間の作業でなんとか小麦の作付け場所の準備が完了。麦の蒔きどきはよく分からないが十一月に入ってからということになるだろう。20平米の耕地に必要な麦の量は二百グラム弱というから購入した種で十分賄える。とはいえ麦の栽培は初めてのこと。手探りでやっていくしかない。

 下の畑ではようやくナタネの芽が出揃い緑の筋がくっきりと浮かび上がった。ここまでくれば去年の種を使ったことによる憂いもなくなった。あとは順調に育ってくれればいいのだが、せっかく出た芽をコッコ達に啄ばまれたらたまらない。したがって、しばらくコッコ達は外に出さないでおこうと考えている。

 そのコッコ一家が最近妙な雰囲気になっている。真弓ちゃんが巣篭りに入ってひと月余り。そろそろ目覚めかけてきているようなのだが、真弓ちゃんが起きてくるとオスのヨー君がひどく突つくのだ。そのいじめ方がひどく真弓ちゃんは逃げるのに必死。一度は羽ばたいて小屋の外に飛んで出てしまったことがある。

 人間の世界にもDVというのがあるがこれはコッコ版。コッコにはコッコのやり方があるとは分かっていても体の大きなオスが小さくなっている真弓ちゃんをひどく突ついているのを見ると黙ってはおれないものだ。何度も叱って引き離すわけだがあまりにしつこいものだからついにヨー君を思いきり蹴飛ばしてやった。なぜ蹴られたかはコッコの頭では理解できないだろうけどこれでおっちゃんの目の前ではいじめることはなくなるんじゃないかと微かな希望を持っているんだがね・・・。


[3247] 田舎暮らしは楽しかばい・091028 投稿者:oomaguro 202.219.167.182 投稿日:2009/10/28(Wed) 21:56 
 強い陽射しが戻った。十月も末だというのに九月初旬のそれに近い。午後からはずっと半袖で日にさらされていたものだから白くなりかけていた腕が再び黒くなった。熱い湯につけるとしびれるように痛い。なんだか夏に戻ったよう。外から帰ったらAutumn In New York でも聴こうかと思っていたがとてもそんな気分ではなく冷えた缶ビールを一気に飲み干したおっちゃんである。

「ラジオ修理法」を借り出す 雲一つない上天気。絶好の農作業日和だ。しかしおっちゃんは自転車ででかける用意を始めた。小麦の作付け準備は順調にすすんでいるので一日くらい休んでも影響はでない。それよりも県立図書館で本を探したかった。連れ合いが車で福岡へ帰っているので自ずと移動手段は自転車に決まる。自転車に乗るのは日記を遡るとなんと八月末以来というから二ヶぶりだ。

 いつものように霊台橋から町道を経由して緑川沿いの県道220号線を下る。二ヶ月前は落石で全面通行止めの区間があったのだがもう復旧しているだろうと思っていた。そう期待していたらまだぜんぜん手付かずのままだ。前回も自転車では通りぬけられたから困ることはなかったが車だとかなりの急坂がある迂回路となる。いくら交通量が少なくても二ヶ月間何もやらないというのは怠慢以外の何ものでもないねえ・・・。

 さて図書館で探したかったのは昭和二十年代から三十年代にかけてのラヂオに関する本。こういう古い図書は自分で探せる本棚には置いていない。収納庫に入っている本はパソコンでそれらしいタイトルの本を見つけてその情報を印刷した紙を係員に手渡して持ってきてもらう方法をとる。だからけっこう面倒くさい。

 四冊持ってきてもらったうちの一冊がこれ。タイトルはずばり「ラジオ修理法」。昭和34年の発行である。当然ながらこの時代のラジオは真空管式のものばかり。いまおっちゃんが趣味でやっているノウハウがいっぱい詰まっている本である。もちろん当時ラヂオは高価な家電でそれを自分で修理することは大事な生活の智恵でもあった。これは役に立ちそうな本で感激。しっかり抱えて帰ってきた。

江津湖の最下流・嘉勢川が流れ出すところ この後市内を回る。味噌天神近くのパーツ屋に立寄って配線材を仕入れる。フューズも10個買いだめをする。ときどき消耗品を補給しておかないとそれだけで作業が止まってしまう。福岡から持ってきた配線用のビニル線もそろそろ底をつきかけて心細くなっていたのだった。

 部品を仕入れるとどっと腹が減った。ちょっとばかり遠回りになるが前回食べられずに悔しい思いをした北熊の支那そばを食べることにしよう。ここは熊本ラーメンの部類には入らないのだが太目のちぢれ麺が存在感があってたまに食いたくなる。しかし一杯690円という値段設定はおちかラーメンよりも二百円も高いから感激も半減というところか・・・。

 ハンズマンというホームセンターに寄って帰りついたのは午後四時。自転車で熊本市内に出ると一日仕事。最後は急な坂道が体力を消耗させてもうくたくた。最近あまり自転車で出なくなったのはこの最後の坂を上るだけの体力が無くなってきたからだろう。乗らなければ脚力が落ちる。だからますます億劫になる。負のスパイラルか。それじゃいかんのだけどねえ・・・。


[3246] 田舎暮らしは楽しかばい・091027 投稿者:oomaguro 218.229.100.219 投稿日:2009/10/27(Tue) 21:33 
 きょうも朝から小麦の耕作地づくりに励む。昨日までの雨が幸いして畑の土を緩め鍬が入りやすくなっている。畑を耕すには一番いい条件だ。ただし柔らかい表土は表面からせいぜい二十センチ程度。底には固い粘土層と大きな石があって鍬の刃先を跳ね返す。耕耘機ばかりで耕すと表面だけかき混ぜて深いところまで爪が達しないという。それでときどきは鍬を深く入れてやるのが土作りには肝要である。

 裏の畑は鍬を深くまで入れたことがなかったのではなかろうか。どこを掘っても固い地盤がすぐに現れる。その昔、ここには家が建っていた。何十年も前に焼けてしまったのだがその焼け跡に土を入れて畑にしたと聞いている。以来、毎年耕しては来たのだろうがあまり熱心にはやっていなかったようで何十年も使った畑としては土はよくない。これがおっちゃんの手によって徐々に変わりつつあるから、やりがいのある仕事だ。

今修理しているラヂオの押しボタン 昼の休憩を利用して昔のことを調べてみる。いま修理しているラヂオが売られていた昭和27〜28年ころの電波事情だ。この画像はラヂオの選局用の押しボタンスイッチの表示である。上から「日本文化」「ラジオ東京」「東京3」「東京2」「東京1」と局名が並んでいる。この民放ラヂオ局が開局したのは昭和27年3月のこと。

 東京周辺の民放ラヂオ局には昭和29年に開局したニッポン放送があってそれがこのラヂオには登録されていない。というところからこのラヂオが昭和27年か28年に製造されたことをうかがい知ることができるわけである。

 ところで「ラジオ東京」とは今のTBSラジオというのは分かるが「東京3」というのは何だろう。「東京2」「東京1」はそれぞれNHK第二、第一放送にほぼ間違いない。しかしNHK第三放送というのがあったのだろうか。最初この表示は民放三局目が開局したときのための予約ボタンだと思っていたのだが、実は周波数目盛にもTOKYO3という刻印があって実存する放送局扱いとなっている。

周波数目盛 この周波数表示板をよくよく見ると左上にOSAKA3という文字も見える。さらにSENDAI3という文字も見えるではないか。表示の統一性からするとやはりこれはNHKの放送として表示しているのではないかと思わずにはいられない。NHKの第三の放送とはいったい何か、謎は深まった。

 ネット検索で「NHK第三放送」という文字を入れてみるとなんとこれがあった。結論だけを書けばこれはFEN。若い人にはAFNという方が分かりやすいかもしれない。Far East Network・極東放送という名称で知られるアメリカ軍の放送だ。終戦直後から米軍は日本に住む軍属向けに英語の放送を始めたが、その際、NHKの送信施設を使って放送を始めたのだという。というわけでNHKの第三の放送という表示になったらしい。これは昭和27年まで続いた。以後は米軍が独自の設備で電波を出す。

 この米軍のラヂオ放送、おっちゃんは佐世保に住んでいたので馴染み深い。米軍基地がある関係できわめてはっきりと聴くことができた。もちろん早口の英語はまるで分からなかったがアメリカで流行っていた音楽がいち早く聴けるのでよくダイアルを合わせていたものだ。

 ラヂオの表示ひとつからおっちゃんが生まれた頃の電波事情が分かって実に面白い。単にラヂオを修理するだけではつまらないがこういう知的な推理を楽しめるから古いラヂオというのには堪らない魅力があるようにも思えるのだ。


[3245] 田舎暮らしは楽しかばい・091026 投稿者:oomaguro 219.116.93.236 投稿日:2009/10/26(Mon) 21:57 
 嬉しいことに昨日からの雨がずっと継続していた。二階の窓から眺める下の畑にはおっちゃんがつけた蒔き溝に沿ってうっすらと緑の筋ができていた。どうやらやっとナタネが芽生えて来たようだ。

 種を蒔いてから十日。アブラナ系の種としてはやや目覚めが遅かった感がする。一時はもうだめかとあきらめかけていた。というのも今回蒔いたナタネの種は今年の春に採取したものではなく去年のものだったからだ。保存は乾燥がすすまないようにビニルの袋に入れさらに蓋付きの缶に入れていたので芽が出ないことはないという自信はあったのだが、タカナの芽が一斉に出たのと対照的にまるで出てこないものだから不安が募った。

 種を蒔く前の準備には念には念を入れてきれいに直線的な筋までつけた。ムラの人たちも珍しがっていったい何をやっているのかと見物に来た人たちも多く、このままナタネの芽が出ず草だけが伸びていったら恥をかくことになるなあなんてことまで考えていたのである。

小麦の種を手に入れた そういう世間体を考えながら先週のうちからナタネがだめになったときの手を打っていた。ナタネの芽が出なかった時には小麦を蒔いてみようと思ってネットでその種を手配していたのだ。

 探した経験がある方はわかるだろうが他の作物の種と違って小麦の種はなかなか売っているところがない。普通の種苗店には置いていないし大きなホームセンターでも見たことがない。昨年も時間をかけてネットで探したのだが売り切れていた。この辺りで手に入れられるとすれば唯一農協経由ということになる。ところがここは少量は扱わず買うとすれば一キロ単位である。

 一度農協を経由してソバとゴマの種を購入したことがあってそのときは自宅では使いきれずに他に分けたという経験もある。大量だからゴマの種の値段はびっくりするほど高かった。そういうこともあるので農協ではないところからなんとか適量を購入できぬものかと今年もネットで探したら、あったのだ。百グラム単位で売っているところが。しかも百グラムで百円という良心的な値段。さっそくナタネの植え付けスペースの分、三百グラムを注文したのが先週の金曜日のことだった。

 その小麦の種がきょう届いたのだが予想がいい方へ外れてナタネが芽吹いて来たものだから小麦を作るスペースがなくなった。せっかくだからなんとか麦を作るスペースが生まれないかといろいろ思い浮かべていたら、裏の畑の案山子を立てているあたりを耕せばある程度の耕地ができることに思い当たった。ここは裏の畑でも果樹に近い端っこでこれまでは何も植えてこなかった場所。まあ作物を植える場所としては一等地ではないがまったく育たない場所ではなかろう。

 ただこの場所は三年以上一度も鍬を入れたことのないところ。三年半前、前住のじっさまにトラクターで耕運してもらって以来手入れをしていないのでそれなりに手入れが必要だ。雨が上がるのをまって鍬を入れ始めたが、とにかく石が多い。いまは柔らかい土になっている場所も最初はこんなふうな土だったのだ。三年間鍬を入れつづけてやっと今日見るような土になったことを思えば感慨深い。十月末までには20平米程度の小麦の植え付け場所ができるかなあ・・・。


[3244] 田舎暮らしは楽しかばい・091025 投稿者:oomaguro 211.133.81.233 投稿日:2009/10/25(Sun) 21:08 
 予報によれば昼から夕方にかけて雨。これが本当だとすれば二週間ぶり、いや三週間ぶりののお湿りとなるか。おっちゃんとしては10日ほど前に蒔いたナタネとタカナの芽の出具合があまり芳しくないので正直湿り気がほしいところ。豆炭の乾燥はやや遅くなるかもしれないがここは野菜を優先させたいところだ。

 おっちゃんは朝からラヂオのキャビネットの補修にかかる。今回のラヂオもけっこう外観が傷んでいて手直しに時間がかかりそうだ。毎日少しずつやっていけばそのうちきれいになると思ってあせらずにやっていこう。きょうは前面パネルの化粧合板のはがれの対応だ。部分的に剥げているのは直しようがないので全部剥がして新しく塗装を施す方針で行く。

ウオマサさんちのアローカナ と、ここで久しぶりに連れ合いの誘いが入る。益城町で開かれている農業高校生の物産即売会に行きたいという。お目当てはトマトケチャップだとか。テレビで紹介されていたものがすばらしく美味しそうな色だったという。我家で作った自家製ケチャップもそんな色だったから本物の色が分かるようになったともいえる。

 ついでといってはなんだが、おととい入荷した黒米を一袋、旧富合町のウオマサさんちへ届けることにした。このお宅はご存知のように我家のコッコたちの本家である。我家よりも飼っている鶏の数が多いので餌はいくらあっても困ることはないだろうと考えた。

 車を出すとすぐに雨が落ち始めた。細かな雨だが降り続いてくれれば畑には恵みの雨となるはず。ウオマサさんはちょうど家に帰ってきたところでグッドタイミング。鶏小屋には古株のウコッケイと赤鳥のほかに新顔としてアローカナという鶏が増えていた。なんでもペルー原産で青っぽい卵を産むので最近注目を浴びているそうである。そしてこの貴重な卵、おっちゃんたちが引上げようとしたちょうどそのとき、アローカナが産み落としたのである。たしかに青っぽい色をした美しい殻。ちゃっかりこれをお土産にいただいてウオマサさんちを後にする。

元気ランド会場の農業高校生コーナー 城南町、御船町を経由して益城町へ。グランメッセという広いイベント会場が目的地だ。農業高校生の実習成果の展示即売会という地味な催しなので来場する人も少なかろうと思ってやってきたところ、会場周辺は車で埋まっていた。意外な人気がある催しなのだ。

 そして不思議なことに風船を持った子供達の姿が多い。それもそのはずで、農業高校生の即売会は地元民放局が主催する大きなイベントの一つのコーナーだったのだ。子供達が参加できるゲームコーナーや和菓子づくり教室が人気で親子連れの来場者が広い会場いっぱいを埋め尽くしていた。おっちゃんたちは迷いながらもなんとか農業高校生のコーナーまで辿りついたのだが、人気の製品はすでに完売との張り紙。八代農業高校や矢部高校の生徒はもういなかった。ケチャップは大変な人気商品のようで影も形もなし。わざわざ雨の中を走って来たのがくたびれもうけに終わる。

 ただこれは他のコーナーだったが常盤学園という料理専門学校の生徒たちが作ったカレーパンが大当たりだった。中身のカレーもよかったがパンの外側がかりっと揚がって油っぽさを感じさせない口当たりが年寄りにはありがたかった。農業高校生といいこの常盤学園の生徒といい若者が手間を惜しまず本物の味を追いつづけている姿勢には心温まるものがあった。なにかしら未来に対する希望を感じたような気分のよさが残った一日である。


[3243] 田舎暮らしは楽しかばい・091024 投稿者:oomaguro 211.133.82.127 投稿日:2009/10/24(Sat) 21:40 
柿酢の熟成状態 一週間ほど前から気がついていたが土間に置いていた瓶からほのかにアルコール発酵をしているような匂いが漂ってきていた。十月初めに仕込んだ柿酢が熟成しつつあるようだ。仕込んでから一度も中を覗いたことはないので恐る恐るという感じで布の蓋をとってみる。

 瓶の上部まで達していた柿がぺちゃんこになってかなり液状に近くなっていた。しかし形が残っている柿の間には白い物がちらほら・・・。一部は白カビのようである。これは大した量ではないので玉杓子で掬って取り除く。心配していた虫は発生していないようである。発酵をさらに促すためにかきまぜると白いゼリー状のものが浮かび上がってきた。一見、工作に使うでんぷん糊のような感じのものである。

 柿に含まれるタンニンはたんぱく質を固まらせて沈殿させる作用があるという。この効果は現在でも清酒を仕上げる際に柿渋を使って濁りを取る工程で利用されているのだが、柿自身にも若干のタンパク質があってこれがタンニンと結びついてゼリー状の沈殿物を作るようである。悪い生成物ではなくほっとした。

 ひとまずは柿酢の熟成は順調といっていい。注意点はカビがまた繁殖しないようにときどきかき混ぜることだ。このまま発酵がすすめば年明けには酢に近くなるはず。いやこんなに簡単に酢ができるなら言うことない。問題は味なんだがそれはもう少し経ってみないとわからない。旨味がなくただ酸っぱいだけじゃ料理にはあまり使えないからねえ・・・。

苦労してダイヤルの糸掛けを終える ダイコンの間引き菜にしっかり塩をして漬け込んだ後、ラヂオの修理を再開する。苦労してダイヤル指針を外したわけだが、切れた糸を張り直すのもまた一苦労。前回同様、このラヂオにも糸掛け図がなかったので糸のルートを推理して掛ける。

 普通はキャビネットから中身を引き出せばさほど苦労せずに糸掛けができるように考えられているのだが、このラヂオに限っては前面の周波数表示パネルを外さなければ作業できない構造になっている。そのために回さなければならないビスが六本。パイロットランプの配線も一旦は切らないとだめである。あまり保守性が考慮されていない設計でこれは電器屋泣かせのセットだったのではなかろうか。

 午前中は糸掛けだけで時間が潰れてしまう。思った以上に細かな作業で目が疲れ大変だった。午後は気を取り直して電気系のチェックまですすむ。電源コードもヒューズも珍しくあまり傷んでいない。電源スイッチは選局ボタンと一体構造になっているが動作は快調のようでとりあえず電源を入れてみることにした。

 真空管六本のヒーターをチェックすると中間周波増幅管6D6だけが点いていない。これは予備と交換。これで全部の真空管に火が入ったがすぐには音が出ない。低周波回路は動作している。電源電圧もまあ正常範囲。局部発振の動作もおかしくはないようだ。IFTの断線もないとすると・・・。

 あれこれいじっているうちに突然音が出た。どうも選局スイッチの接触がよくないようで何度かボタンを押しているうちに次第に動作が安定してきた。ただ感度が極端に悪い。アンテナをつないでもつながなくてもあまり音量に変化がないのは不自然。アンテナコイル周辺が疑われる。図面から推測すると同調回路を切り替える選局用のボタンスイッチが悪さをしているような感じがするなあ・・・。というところできょうは時間切れ。


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