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PLCがダメな理由

PLCがダメな理由をヨボヨボと考えてみる

注:これが書かれたのは2006年から2007年にかけての時期です。なので情報的には古いものになります。ただし、その後画期的な無害化技術が登場したわけではありませんので、さして状況に変化はありません。(2007.05.17追記)
また、あちこちにコピペとしてURLを貼りまくっている方がいるようです。
参考としてURLを貼っていただくこと自体は否定しませんが、あちこちのBLOGやBBSに貼り付けて歩くだけではなく、ご自分の言葉で説明説得することを希望します。

いわゆる文系の人にもすこしはわかりやすいように説明してみる(努力をしてみる)

まずは、基本的におさえておくこと
電線に交流の電気を流すと
大なり小なりの電波が電線から出てゆきます
一般のコンセントに来ている50Hz/60Hzでも
波長はものすごく長いので、アンテナとしての効率は悪いです。そのため少しになりますが電波として漏れていっています。幸いそんな周波数では無線通信が行われていません。
周波数が高くなると
波長も短くなるので、電線が短くても効果的にアンテナの代わりになり電波として飛び出しやすくなります。
送り出す電力が大きければ
その分飛び出してゆく度合いも大きくなります。
高速PLCでは
無線通信などで使用されている、「短波」と呼ばれる周波数部分の信号を、家の中に張り巡らされている電線に混ぜることで通信をしようとするものです。
一般家屋の壁や屋根裏に敷設されている電線は
電力を送るためのものなので、そこから電波となって漏れで行かないような工夫はされていません
大なり小なり漏れていってしまうことが明白だから
無線設備などに影響がないように小さな力で電線に信号を混ぜなければなりません
小さな信号だと
一般家電製品とか周囲の無線通信の電波などからの影響を受けやすくなるので、通信速度が低下したり、通信が出来なくなることがあります。
だからといって信号を強くすると
無線通信や放送などに影響を及ぼすだけではなく、そのような信号が混入したようなところから電力を取り入れることを考慮していない過去から現在にわたる家電製品等に
どんな影響が出るか誰にもわかりません。
在宅で医療機器などを使用している場合、健康や生命にかかわるかもしれません。
高速PLCとしては
まず最初は、PLCモデムという形で箱型の変換装置を(最低2台ひと組で)使って通信します。これらの装置はお店で買ってきてつなげばいい…ようにできるものとして出荷されています。

自分の立場

これは明らかにしておかなければいけませんね。

自分は、アマチュア無線家の一人です。
短波帯での運用が可能な無線局免許も持っています。
また、急に寝返った裏切り者のJARLの正会員でもあります。
なので基本的には高速PLC(2〜30MHzの短波帯を使用したもの)の導入には反対の立場です。

その立場で技術的にどーのこーの、コモンモード電流がどーのこーのというのは、自分が内容を完全に詳細に理解できていない(はずだし)事柄を書いても、たぶんこれを目にするであろう(技術などに明るくない)ふつう人が理解できるとは思えません。

そこで、平易に自分で理解できている範囲の事柄で「PLC推進側が語ろうとしないダメなところ」、「素に考えて先行きが暗いこと」、「これじゃ普及しないと思われること…」などなどを思いつくままに書いてみようという試みです。

噛み合わない論議

推進側として制定しようとしているのは、PLC-Jや研究開発に金を投じてしまった機材などの製造メーカー。

一方、反対の立場をとる側の、いろいろな組織・団体・個人との論議は少しも噛み合っていません。

PLCに関する検討をしている団体や推進側企業が拠り所にしている「そんなに雑音が増えたりすることはありませんよ」という研究結果に対して、
複数の大学などでの研究結果などからそれが「その(拠り所にしている)論理そのものが間違っている」と指摘されている
のに、微塵も再検討する気がないのです。

パブリックコメント(「高速電力線搬送通信と無線利用との共存について(案)」に対して提出された意見の概要及びそれに対する研究会の見解(pdf)」)などでも、
「おかしい」と指摘されているのに自分たちが拠り所にしている調査結果のみが正しく、それで間違いないと決め付けています。

いくつものパブリリックコメントを自分たちの都合の良いように「ほか何名」などでくくった上にさらに複数の項目に対してまとめて「既定どおり」と回答して、微塵も疑問に答えていない有様には驚くばかりです。*1
そもそもその「既定」の「根拠」に疑問を投げかけられていることがわからないのです。

さらには推進側の意見には「賛同いただきありがとうございます」ってびっくりな回答が。

「賛同に対して感謝する」って事は、反対意見の存在は「感謝されない」、「ありがたくない」、いわゆる「迷惑だ」といっていることに他なりません。

パブリックコメントとして広く意見を求めるという立場であれば、どちらの意見もありがたくなければオカシイのです。
そうじゃないということは、はなから「やらせ」「出来レース」ではありませんか?

せいぜい「パブリックコメントを受け付けて話を聞きました」という既成事実をつくるために実施したものと受け取られても仕方ありません。
意見を聞いて疑問に答えて(応えて)指摘されたところをきちんと再度詳細に調査しなおさないのであれば「ポーズだけのパブコメ」を税金使って(?)無駄をやったことに他なりません。

なぜ、そうまでして「非常識」とまで言われるような「トンデモ理論」をごり押ししなければならないのでしょうか?
はなはだ疑問に思う次第です。

地方へのインターネットの普及に役立つ…と思われている誤解

たしかに、高速PLCはe-JAPAN構想に無理やり滑り込んだ代物ですが…

PLCは家庭内での配線の部分を担当目的でのGOサインですから、ナニをどうやってもインターネットを使うためにはブロードバンド回線を何らかの方法(光なりADSLなり)で家まで引いてこなければならないのです。その部分は推進側が夢物語を宣伝して歩く際にはあまり語ろうとしません。

実際には地方や山間部などはブロードバンド回線を引くこと自体が出来ないという地域が沢山あるのです。そんな場所でPLCを使う用途ってどれぐらいあるのでしょうか?

  • 情報家電同士の相互通信ですか?
  • ホームサーバーから各部屋へのリッチコンテンツ(ハイビジョン動画とか… )の配信でしょうか?
  • (ブロードバンドが来ていないのですから)インターネットへの接続というのはありえませんものね。

余談:自分の田舎でさえ、 少し前まで実家の電話番号を入力してサービスの可否を調べようとすると、結果さえ出てこない有様でした。 もっとも局舎からの線路長が4000m近くなっているのでADSLでは速度が出なくともリンクして500kbps程度でも速度が出ればラッキーだと思います。
(2008年現在、12Mプランでリンク速度2M程度です。)

接続が簡単だという誤解

幸いにもブロードバンド回線が引ける地域に住んでいるとしましょう。
家屋の分電盤より内側のいわゆる屋内のどこかのコンセントにこれらの機材を接続するわけです。

「コンセントに差し込めば…」と宣伝しているぐらいですので、きっと何もなくとも家庭内で信号が留まるということなのでしょうが、どう考えても家の外の柱上トランス付近までは自分の家からの信号が流れ出てしまいます。

そもそも、本来屋内に限り使用できるという条件の下認可が下ろされようとしているのですから、野外の空中電線にそれらの信号は流れるのはまずいのです。

そうしないためには、家の内側と外側との間に防護フィルタ(ブロッキングフィルタ)を挿入しなければ野外への流出を止められません。
そして電力線の途中にこのような装置を挿入する作業は、素人が日曜大工の延長でこそこそっと勝手にやってしまうような規模ではありません。
どうがんばっても電気工事業者にその作業(電気工事)を実施してもらわなければなりません。
当然工事費やフィルタの代金などが余計にかかります。

にもかかわらず、「そんなもの要らない。積算電力計で十分に減衰する。」と主張しているようです。

参考
TDKが開設している「なるほどノイズ入門2」というページがあり、その第7回がPLC(電力線通信)のEMC(ノイズなどで正常に動かなくなることへの対抗。)対策です
http://www.tdk.co.jp/techmag/emc2/200610/index.htm

現状では外付けのPLC装置の形でしか発売される目処が立っていません

ブロードバンド回線との接続点に1台必要なのは素人考えでもわかります。
そして、 情報家電やインターネットを使いたい場所にもう1台必要になるということも非常に理解しやすい話です。

将来PLCが順調に普及すれば、きっとPLC装置が内蔵された情報家電やPCなどが発売されるのでしょうが、それまでの間は外付けのPLC装置を使うしかありません。

使用したい部屋が複数になったとしたら、1台2万円だとか1万円だとかいう装置を買い足してゆかなければなりません。また、セキュリティ機能がありますので、使う機材同士をペアリングさせるなどの設定が必要な製品がほとんどです。
それとれ、同一グループであることを簡単に設定できることを売りにしている機材なら「2台の間の関連付けならボタンを同時に押すなどで登録できる」とうたわれていますが、3台目以降となると操作がかなり面倒であるというレポートが上がっています。

内蔵されてこそ価値があるPLCなのに、電源アダプター必須なノートパソコンは悲惨です。

ACが直接繋がらない所にはPLCアダプターを持って来れません。

それじゃ、電源アダプターに内蔵しますか?
アダプターとパソコンの間に電源とデータの2系統6本の線をつなぎますか?
PCとのコネクタも専用品ですか?
繋ぐ相手はどのグループ?専用品必須?
いずれにせよ本体に内蔵される見込みがないとしか。*2

200Mbpsは誇大広告?

理論値*3での数字による広告は、無線LANでの数字競争の際に公正取引委員会から「実際には出もしない理論値を掲げることは、優良であると顧客に錯誤させることに他ならないので不当広告である」と注意されたはずです。開発技術者のぶっちゃけたコメントではPLCが認可される予定の基準で一般家庭に持ち込んだ場合速度は10Mbps出るかどうか…だそうな。
実際に使っている人のレポートでも50Mなんか出ている例を知りません。

メーカーが異なると通信できない?

現在無線LANのwifiテスト合格品のような相互接続保証というものは(いまだに)ありません。
各社が独自の方式を採用しているので、あとから買い足した他社のPLC装置では通信できないことが十分に考えられます。
とにかく、使っている部品が同じな同じ方式のものであっても会社が違えば相互登録が出来る保証はなされていません。いまのところ同じ形式の陣営同士では出来ているという話もありますが、実質OEMで中身一緒だったりしますから、どこまでそれらを担保できるか不明です。

これは何を意味するかといえば、
PLC装置内蔵の情報家電が発売になった際には、希望する情報家電製品の製造メーカーとPLC装置とが同じに合っていなければならないともいえるわけです。
PLCの装置を情報家電に合わせて入れ替えをするのでしょうか?
もしくはPLC装置に合わせてそちらの陣営の製品で妥協するのでしょうか?
もし、将来統一規格が出来た際には現在の製品は「旧規格の製品」となってしまいますよねぇ。

家屋の中でコンセントによって通信が出来ない

電柱から素の100Vを2本の電線で引いてくるケースよりも、 3本の線で200Vで引いてきて家の中を100Vの2系統で配電しているのが増えてきているそうです。
壁の中の100Vの電線を使って通信するわけですから、その系統をまたぐ形でのPLCでの通信は出来ません。 PLCのために系統の振りなおしとか事前調査などをしてもらわなければならないということになります。

それらは誰がしますか?

調査だけなら自分でできないこともないでしょうけど、振り替え作業は電力線を素人が触ることは許されません。
業者や有資格者を使うならば当然費用が発生しますね。

家の中でほかの家電製品が動いていると速度が落ちる

最悪、通信できなくなることが報告されています。

ドライヤーや掃除機などのモーター系の家電製品だったり、携帯電話の充電器やノートパソコンの電源アダプタからもノイズが出てしまうことがあるという報告が出ています。

さらには、便利に使われているテーブルタップや延長ケーブルによる分岐などが増えると全体に影響が出てきます。
電源スイッチつきのテーブルタップや中間スイッチなどは、電線の平衡性を崩してしまうために漏れが増えたり、速度が低下する、最悪通信が出来なくなるといわれています。

不平衡配線という問題

PLCにとって不利な状況には、不平衡配線という問題があります。

中波の周波数付近を使っているはずのADSLで顕著な障害などの問題が起こっていないのは、もともとアナログ電話回線という通信用の電線を用いているので、長さが不均等で配線されることがありません。

一方、家庭内の電力配線などには、スイッチつきのテーブルタップなどが存在したりします。
それらの製品の中には、片側だけを切り離す構造になっているものがあるますので、OFFの時には電線の長さが不均等になります。
そのような場所が家の中にあるだけでも速度に影響が出るし、漏れを防ぐには不利な状況になります。

(正しい配線とは、家屋の電灯などのスッチはOFFの時、両側を切り離すような配線にしてあるべきものです。電灯線は片側は地面にアースされているので、アースされていない片方に触れただけでも感電する危険があるのです。なので両側を切り離すようにスイッチを設け方るのです。しかし古い家屋ではそうなっていない手抜き配線をしている可能性が高まります。ところが、古い家屋こそPLCを使いたいわけですね。)

同時に複数の通信を通すことは出来ない

通常LANと呼ばれるイーサネットでは、分岐点にはスイッチングハブという装置が用いられています。この装置の役目のひとつには「不必要なところにはデータを流さない」という機能を持っています。 *4

一方PLCの信号を流す電線はあくまでも電力を届けるためのものですから、そんな関門がついているわけありません。

そうなると、装置A-装置B(たとえば、居間のビデオサーバーの映画を自分の部屋の部屋で見る)の間で通信をする場合、家中の(通信することが可能な)コンセントのすべてにその信号が届いてしまいます。

同じ時間に、装置C-装置D(たとえば、別の部屋のパソコンでインターネット接続する)間で通信をしようとすると、 A-BとC-Dの信号が混ざってしまっては困るので、時間で分割で通信するしかありません。 (いくらなんでも連続して何分も独占してデータを流し続けるような気の狂った仕様になっているわけないですよね。)

すなわち、1本の経路を2組でぶつからないように使うと、単位時間当たりに通過できる荷物は半分になってしまうのは想像できるはずです。
イーサネットでも共通の経路を2組で使用するならば同じことが起きますが、スイッチング能力のないPLCの場合は家の中すべてが常に共用と同じことなのです。

さらに効率が低下する要因

イーサネットでは、送受信を別の線を利用しているので送信と受信を同時に行うことが出来ます。*5
4本ですから、行きと帰り、すなわち送受信が同時に出来ます。
同時に送受信できるということは、通信中に随時エラー訂正の情報とか、受け取り側の処理が間に合わないのでちょっと待ってくれ!などの情報を随時流すことが出来ます。

一方PLCでは既出のとおり2本の線しかありませんので、エラー訂正などのための信号も他の通信が行われていないタイミングで行わなければなりません。

そもそも複数の機材でデータの転送能力を分け合わなければならない上に、一人で使っている時でもエラー訂正のために送信と受信を繰り返さなければなりません。
また送信と受信の切り替えも0秒では出来ませんので、小さな時間の積み重ねが膨大な蓄積となってデータ転送効率を低下させてゆくことになります。

私が恐れるいくつかの事項

今回認可が予定されているPLCの場合、ノイズレベルを抑える目的で適正な値(上限が決めてある)に設定された上で、屋内で使用される。
というのが前提です。
しかしそれらが崩れた場合の対処について何も明確にされていないのです。

野外で使うことはできません。
母屋と離れの間に敷設された私設の電線にPLCの信号を流すようなことはしてはいけない。
しかしショーなどでは「例」として車庫と繋ぐなど、現在認められていない(もしくは十分に注意が必要な)ものを提案のように見せたりしているので怖いです。
改造禁止
速度を出すために改造する(そもそも内部をあけること自体許されていないです。)ことも許されてはなりません。速度を出すためにはPLC装置からの信号レベルを上げることをしなければなりませんが違法です。
売れ行きが悪いとパーソナル無線のように違法改造して「速い!」などと称してそのまま使うことが出来ないものを販売する連中が必ず出ます。
パロマ事件でもお客から「満足に使えないじゃないか!」と販売店に文句が行くと、違法(危険)を承知で(?)改造するなんてことがおこります。
管理されておらず野放し
販売使用に当たってもどこの誰かもわからない人が法的規制などもまったく無知なまま、無造作に持ち帰って設置するわけです。
下手をすれば違法改造品が一人歩きで流通し手から手へと流れてゆくともう追跡さえ出来なくなるのです。
どこの誰が使用しているのかも把握できていないのですから適正に使用されていることを確認することはもとより、障害の発生源の特定はかなり困難ともいえます。
既存の電化製品が受ける障害
既存の電化製品はPLCからの信号による障害について、考慮されているとは言えない恐ろしい側面もあります。
だってまだ存在していなかった時代の設計ですから、考慮するにも限界があります。
仕様の差し止め命令をどうやって出すのでしょう?
驚くばかりの「夢の生活」の事例
PLCで夢の生活!のような説明の中には、病院に導入して入院患者へのサービスとか院内通信に利用できるようなことが書かれている代物を見たことがあります。
空間を飛んでくる微弱なPHSの電波でさえ「使用禁止区画」が存在するような医療機関で、コンセントのように直結しているところから流れ込むPLC信号に対しての耐性は十分に検証がなされているとは到底言えないのが現状です。入院患者が持ち込んだらどうなるのでしょう?
PLC機材の注意書きにはしっかり明記されているんですけどね。
医療器械は病院以外にもある
在宅医療というものもあります。
ようするに、医療機関ではない自宅などで医療器械を用いているケースも少なくありません。
しかし、田舎ならまだしも都会の特にアパートやマンションなどの集合住宅などでは、隣に住む人が誰かさえわからないのが現状です。そんな現状ですから医療器械を使っているかどうかなんて知る由もありません。

自宅の外や近隣まで漏れ出すことをパナソニックコミュニケーションズの担当者は否定しないのに、ブロッキングフィルタは要らないと言っています。
それらの在宅医療器械はいろいろ検討されていることとは思いますが、いままで存在しなかったPLC機材から受ける影響などは未知数です。

「これから我が家ではPLC装置を使います。電波障害や機材の誤動作などがあった場合には至急連絡してください。」ってチラシを入れて歩くんでしょうか?
少なくとも「店頭でホイと買ってきて、適当にエイヤ!とつないで使えます」というノリで売っています。

ちなみに、周辺へ影響が出た場合PLCの使用の差し止め命令を受けることがあり得ることや、周りからの影響で十分な性能が出ないとかがあっても保護の対象にならないとか、家の中専用で屋外では使ってはいけないなどなど事前にしっかり教育するんでしょうか?
(そんなことやらないだろうねぇ。)

個人的には「便利かもしれない」と思っていました

実は、個人的には「問題がなければ便利かもしれない」と思っていました しかし、問題(発生するノイズ云々)以前に技術として、すでに「5周遅れぐらいでようやくピットスタートする」ような、
速度が出ない上に散々にらまれているものを、無理を通して道理を曲げてまで市場に出すというのは信じられません。

有線LAN(イーサネット)ならば、ギガビットなどの1000Mbps(もちろんこれだって理論値だけど)に突入していますし、高速無線LANでも実効値30Mbps以上出たりしています。何をいまさらな感は否めません。

研究開発費などを投じた企業などは、意地でも費用回収したいのでしょうが、 「実際に普及してから問題点などを洗い出してより良いものに…」と悠長なことを言っているメーカーさえあります。
最悪「人死に」が出る恐れさえあるのですが、それが社会的責任としてのコンプライアンスを掲げる企業のやることなのでしょうか。

「商品」としての魅力や将来性がない

故意に隠蔽しているとしか言いようがない状況ですが、その語られない不利益なことのいくつかを書き並べてみたつもりですがいかがでしょうか。

  • あなたはこの商品をあなたは欲しいと思いますか?
  • あなたはこの商品に将来性を感じますか?

重ねて書きます。

たしかに、あらたにデータ通信線を敷設するなどすることなく、なんらかのデータ通信を行うことはできそうです。
しかし、語られるような夢物語がほんとうにになりそうなこの状態で普及すると思えますか?
代替手段もいろいろそろっているのです。
嘘で塗り固めて無理やり認めさせたような代物をそのまま野放しにすることはまずい…と有志が差し止めの訴訟を起こしているところです。

代替手段のある今の日本において、その代替手段とくらべて性能的にも劣る上に、命綱としての船舶無線や航空無線などに悪影響を与えるような代物は認められてはいけないと思っています。

ノッチを入れてあるから問題ないという主張

たしかに、ノッチといわれる手法で、特定の周波数を使用しないようにする(特定の周波数部分の電力を下げる)処理を入れているものがあります。
しかし、ノッチには何の法的拘束力もありません。あくまでも、自主的にメーカーが入れているものです。
しかも入れている場所は、いわゆる「ウルサイ連中の居るアマチュア無線の周波数部分」です。
言い換えれば、そこだけです。
いわゆる不要不急の趣味の連中と揶揄される場所にだけ入れて、それ以外のラジオ、船舶航空無線などの命綱の部分を見捨てています。
これはいったいどうしたことでしょう?

おまけに法的拘束力のないものですから、メーカーの胸先三寸で入れないことも許されます。

本当にそれでいいのでしょうか?

本当に無害なのであればアマチュアバンドにさえノッチを入れる必要はないのです。にもかかわらず入れているのは何故でしょうか?

複数規格の混在

複数の規格の物が製品化されて市場に出てきました。
これらの信号が混在したときには急激にスループットが低下します。
自分の家の中の事なら済みますが、自宅周辺まで漏れ出してします。
逆にいえば周辺から自宅に入り込みます。
衝突してスループットが劇的に低下して、動画コンテンツの再生に問題が出たら、近所に向かって「だれだかしらねーが、うちで迷惑しているからPLCの使用を止めろ」とでも言うのでしょうか?
いや、そもそも近所で使っているのかどうかさえ気づかないんじゃないですかね?

近隣の席無線局からの電波でPLC側が影響を受けることが容易に想像できます。
しかしPLC側は優先権もなければ保護対象ではありません。無線局からクレームがつけば使用差し止めや撤去を命じられるという立場の弱い代物です。折角お金を払って買ったものなのにね。
そんなおそれもあるものをわざわざお金を出して買いますか?

追記

2009.03.18追記
出典 2009.03.16にこの記事のHIT数が急に上がりました。リンク元をたどると、スラド内のgedo氏日記の中からでした。 http://slashdot.jp/~gedo/journal/470335 ノートパソコンにPLCアダプタを内蔵できない件について書かれている件を取り入れました。

*1 マジメに仕事しろ!PLCパブリックコメントの官僚対応に激怒する/ライター三上

*2 文末2009.03.18追記参照

*3 計算上でのみ存在できる理論的な理想状態での数値。実際での数値は「実効値」と呼びます。

*4 もちろんスイッチ機能のないダムハブとかリピーターハブというものもありますがスイッチングハブの値段は十分下がっている昨今、特に目的がある人以外買わない。

*5 イーサネットケーブルには標準的に8本の線が通っていて、2本を1組として使用するので、実質4本の線が通っている形です。よじりながら2本を1組にすることで、外部からのノイズを受けないようにしたり、外部へのノイズの漏れ出しを軽減させるようになっています。